043 統合的・発展的に考える

今回も,『初等教育資料』3月号 から,加固先生の論から考えたいと思います。

今日のテーマは,「統合的・発展的に考える」です。

論考を読んだ私なりの解釈を図に表すとこうなります。




この解釈が合っているかどうかはわからないのですが,少なくとも私はこのように理解しました。ただ,「発展的に考える」を「抽象から具体」への矢印に合わせていますが,厳密に言うと,きっと加固先生の意図とは違いますね。無理矢理三角形に合わせるとこのようになりましたが,本当は「具体」が大きく広がっていくようなイメージですかね。

※ここで,「抽象」と「具体」の三角形を出していますが,これについてはまた今度書いてみます。

ところで,片桐重男氏は『数学的な考え方の具体化』の中で,「統合的な考え方」と「発展的な考え方」について次のように述べておられます。

統合的な考え方の意味を簡単にいえば,「多くの事柄を個々ばらばらにしておかないで,より広い観点から,それらの本質的な共通性を抽象し,これによって,同じものとしてまとめて行こうとする考え方である」と言えよう。(p.148)

上図の「抽象」とピッタリ一致します。

「何が大事だったのかな?」と問いかけるのは非常に有効ですね。

また,「発展的な考え方」については,次のように述べておられます。

統合したことをさらに広い範囲に用いていこうとしたり,一つの結果が得られても,さらによりよい方法を求めたり,これを基にして,より一般的な,より新しいものを発見しいこうとするのが発展的な考え方である。(p.159)

図で表すとこのようなイメージでしょうか。


 いずれにしても,「統合」の後に「発展」がやってくると捉えるのがいいように思います。

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