103 『<叱る依存>がとまらない』は君の在り方を変えるかもしれない一冊

最近,本を買いすぎて読むのがたまっています。

積読万歳!

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

さて今日は,久々に本紹介の回となります。

それではレッツ本ー!

友人から紹介してもらった本,『<叱る依存>がとまらない』。これ,超絶おすすめです。

僕はよく気になった文章があると,そのページを折り込むのですが,この本にはその折り込みが・・・ほとんどありません。え!?と思われたかもしれませんが,「ここ使えるぞ!」とかそういった類の本ではないのですね。読者の心に染み入るような内容といったらいいのでしょうか。読む前と読んだ後では,自分の心の在り方が少し変わっているような気がします。優しくなれる感じです。とはいえ,スピリチュアルに感情に訴えかける本というわけでもありません。様々な論文等をもとに,論理的に構成された本だと思います。

例えば,「マルトリートメント」という言葉も最近よく聞きますが,僕はその意味をこの本で知りました。

マルトリートメントという新たな視点

こういった認識の変化から,近年では「マルトリートメント(不適切な養育:Maltreatment)」という言葉は使われるようになっています。身体的な暴力の意味合いが強かった「虐待(Abuse)」と比較して,より広い範囲の不適切な対応を指す言葉です。」(p.94)

この一節を見ても,言葉をやさしく,かつ,しっかりと定義されていることがわかっていただけると思うのですが,これが心地良いんですね。

その上で,「なぜ「マルトリートメント」という新しい言葉が必要になったのか」について言及されています。

最後に個人的に好きな一節を紹介して終えたいと思います,

さらにいうと,苦しみが成長につながるのはそれが他者から与えられたときではなく,報酬系回路がオンになる「冒険モード」において,主体的,自律的に苦しみを乗り越える時です。周囲の人間ができることは,本人が「やりたい」「欲しい」と感じる目標を見つけるサポートをすること。そして目標を目指す「冒険」を成功させるための武器を与え,道筋を示すことです。繰り返しますが,「叱る」がなくても厳しい指導は可能です。(p.162)

目標を目指す「冒険」を成功させるための武器を与え,道筋を示すこと・・・なんて素敵なことばでしょう。もう一つ!

ここで大切なのは「やり方の工夫」です。

近年,多くの子どもたちが,昔よりもずっとスムーズに自転車に乗れるようになっていることをご存じでしょうか。子どもたちの身体能力が劇的に向上したわけでも,自転車の乗り方そのものが変わったわけではありません。変わったのは乗れるようになるまでのステップです。昔は自転車に乗れるようになるまでの前段階は「補助輪付き自転車」を使うのはほとんどだったように思いまう。しかし今は「ペダルなし自転車」が圧倒的に主流になっています。(p.186)

ICTの発展とともに,「変わったのは乗れるようになるまでのステップ」という視点もこれから大事になる考え方ではないでしょうか。



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