128 『センス入門』・・・センスってなんだ??

 みなさん,本はどちらで購入されますか?

僕はほとんどがAmazonなのですが,それでも本屋が好きで,本屋に行くと必ず1冊は買っています。自分の本を購入する時もあれば,子供たちの本を購入する時もあります。「本屋で本を買う」という行為自体が好きなのかも知れません。あの独特の匂いも好きですし。

また,本屋はネットで購入するのと違って,特にお目当てもなくぶらっと回っている中で,読みたい本が見つかるのがいいんですよね。この1冊もそうです。

こんな本全く知らなかったし,別に「センス」について知りたかったわけでも興味があったわけでもありません。でもなんかビビッときたんですね。表紙の古臭いようなどこか新しさを感じさせるデザインに惹かれて・・・。そしてパラパラとめくったらこんな言葉に出会ったんですね。

「センスのいい人たちは,頭で考えてしゃべるとは限りません。なぜなら何かを判断しようとしてるわけではないからです。自分のなかにある知識のストックから選び出してことばにするのではなくて,心の引き出しを開けて,思いのままに取り出して見せるという感じでしゃべっているように僕には思えます。頭と心の使い方のバランスがよいのです。」(p.17)

なんか納得しませんか。どこか得体の知れないような「センス」という言葉をまさに表したような一節です。そして,その正体を解明するようにこの本は書かれています。

・本物に触れる,・経験にお金を使う,・まずやってみる,美術館に行く,生演奏をきく

など当たり前のようなこと,どこかで聞いたことのあるようなこともたくさん書かれていて,「でもそれがなかなかできないんだよな」というところも正直あります。ただ,友人でとってもセンスがいいなと思う方は・・・やっぱりこの本に書かれている通りの人間なんですよね。ほんと尊敬です。

また,こんな一節もあり,これまた違う友人がすぐにイメージされました。

「「魅力を感じることは何か」と聞かれ,ふたたび誤解を恐れずに答えると,正常と異常が同居しているものだと思います。正常であれ異常であれ,わかりやすく見えるものはたいていおもしろくありません。逆に,なんだかわからないけれどふつうではないものや,異常なものが正常なもので隠しきれずに溢れているものには,とても魅力を感じます。」(p.91)

みなさんの周りにもそんな人,きっといますよね。

自分自身がどうなのかは,自分ではわかりませんし,そんな人間になりたいのかどうかもわかりません。でも,周りに迎合することなく,自分が大切にしたいことややりたいことはきちんと貫き通せる人間ではありたいなと思っています。

最後に,僕がこの本で一番心に残った文章を引用して終えたいと思います。この言葉は僕に勇気を与えてくれます。

「けれども,批判は自分が成長,前進している証拠だと思っています。批判とは,要するに,向かい風でしょう。向かい風は自分が先頭に立ち,前に向かって歩いている証拠なのです。逆に,風が吹かないというのがいちばん嫌なことです。」(p.100)

「痛みや苦しみやつらさは,逃げれば逃げるほど追いかけてくるとわかっているからです。逃げないでいれば,自分はそれに追いかけ回されない。」(p.101)


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